エストロゲン減少のサインって何?更年期症状の特徴や対策も解説

「もしかして、閉経に近づいてきた?」「急にほてったり、イライラしたりすることが増えた…」
こうした心身の変化には、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの減少が関係していることがあります。
エストロゲンは更年期や生活習慣によって大きく減少しやすく、心身の不調だけでなく、骨や血管の健康にも影響を及ぼすことがあります。
この記事では、エストロゲンと女性の心身の関係性や減少した際に見られやすいサイン、対処法についても紹介します。
最近の体調変化が気になっている方はぜひ参考にしてください。
エストロゲンの働き

エストロゲンは、子宮内膜を厚くして妊娠に備える働きをもつ女性ホルモンです。
女性らしい体つきをつくるほか、肌のハリやうるおい、骨の健康維持、自律神経の安定、血管や代謝のサポートなどにも関わっています。
一方で、年齢とともに分泌量が減少し、閉経後には更年期症状や骨粗しょう症などのリスクが高まりやすくなります。
そのため、エストロゲンの減少による体の変化や、起こりやすい不調について知っておくことが大切です。
エストロゲンの分泌が減少する原因

更年期
更年期とは、閉経を挟んだ前後5年ずつの約10年間を指し、一般的には45から55歳の時期です。
この時期は加齢によって卵巣の機能が低下し、エストロゲンの分泌量が大きく減少しますが、その急激な変化に体が対応しきれず、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
その結果、ほてりや発汗、動悸、イライラ、気分の落ち込みなど、さまざまな更年期症状が現れる場合があります。
不規則な生活習慣
エストロゲンの分泌は、年齢だけでなく生活習慣の影響を受けることもあります。
過度なストレスや極端なダイエット、喫煙、過度な飲酒、慢性的な睡眠不足、運動不足などが続くと、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
特に、強いストレスが続いている場合や、短期間で大幅に体重を落とした場合には、年齢に関係なくエストロゲンの分泌が不安定になることがあるため注意が必要です。
エストロゲンの減少で見られる症状(サイン)|更年期症状
エストロゲンの減少によって現れる代表的な更年期症状は、主に以下のように分けられます。
- 精神・神経系:頭痛、めまい、気分の落ち込み、イライラ、不安感、眠りにくさなど
- 血管運動神経系:ほてり、のぼせ、急な発汗、動悸、息苦しさなど
- 皮膚・分泌系:肌やのどの乾燥、ドライアイなど
- 消化器系:吐き気、胃の不快感、胸やけ、便秘、下痢など
- 運動器系:肩こり、腰痛、関節の痛み、背中の痛み、手足のしびれなど
- 泌尿器・生殖器系:月経周期の乱れ、尿漏れ、頻尿、性交時の痛みなど
現れる症状や程度には個人差があり、いくつかの不調が同時に起こることもあります。
エストロゲンの減少で見られる症状|月経不順
月経不順は、更年期の初期に見られやすい症状のひとつです。
経血量が減ったり、月経の間隔が長くなったりすることがあります。
また、30代以下でも過度なストレスやダイエット、肥満、病気などによってエストロゲンの分泌が低下し、月経不順が起こる場合があります。
思春期や産後以外で月経周期の乱れが続く場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
エストロゲンの減少でリスクが高まりやすい症状
エストロゲンは、子宮内膜だけでなく、骨や血管、脳などの健康維持にも関わっています。
閉経などによって分泌量が減少すると、さまざまな病気のリスクが高まる可能性があります。
骨粗鬆症
エストロゲンの分泌が減少すると、骨密度が低下し、骨粗鬆症のリスクが高まりやすくなります。
エストロゲンには、骨の新陳代謝を調整して骨量を維持する働きがあるためです。
特に閉経が過ぎた女性は骨がもろくなりやすく、転倒や尻もちなどをきっかけに骨折するリスクも高まるため、注意が必要です。
心血管系疾患
エストロゲンの分泌が減少すると、動脈硬化などの心血管系疾患のリスクが高まりやすくなります。
エストロゲンには、血管内皮の細胞に作用して血管を広げやすくし、血流を保つ働きがあります。
そのため、分泌量が減ると血管の機能が低下し、動脈硬化につながる可能性もあるのです。
認知症
エストロゲンは、脳の神経細胞や血流の維持にも関係しているとされています。
閉経後のエストロゲン減少と認知機能の変化については研究が続けられており、現時点でアルツハイマー型認知症との関連も報告されています。
認知症は加齢や生活習慣など複数の要因が関わって発症するため、エストロゲンの減少だけが原因ではありませんが、リスクが高まる可能性があることは知っておきましょう。
エストロゲンが減少した際の対処法

エストロゲンの減少による不調が疑われる場合は、食事や生活習慣を整えながら、必要に応じて医療機関で治療を受けることが基本です。
特に更年期では、エストロゲンの分泌量が大きく変化するため、無理に我慢せず、自分の体調に合った方法で対策しましょう。
エストロゲンに似た栄養素を摂取する
まずは、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を1日3食摂ることが大切です。
そのうえで、エストロゲンに似た作用をもつとされる成分を含む食品を取り入れるのも良いでしょう。
代表的なのが、大豆食品に含まれるイソフラボンです。
豆乳や納豆、豆腐、味噌などから摂取できます。
また、ごまや亜麻仁などに含まれるリグナンも毎日の食事に取り入れやすい成分です。
ホルモン補充療法を受ける
ほてりや発汗、動悸などの更年期症状がつらい場合は、婦人科を受診してホルモン補充療法(HRT)を受けることも選択肢のひとつです。
ホルモン補充療法(HRT)は、減少したエストロゲンを薬で補う治療法で、更年期に伴うほてりや発汗などの症状を和らげる効果が期待できます。
ただし、体質や持病によって適さない場合もあるため、医師と相談しながら治療方法を決めることが大切です。
規則正しい生活習慣を送る
ホルモンバランスの変化による不調を和らげるためには、生活習慣を整えることも重要です。
ウォーキングなどの適度な有酸素運動を取り入れ、十分な睡眠時間を確保しましょう。
また、趣味やリラックスできる時間をつくり、ストレスをため込まないことも大切です。
食事・運動・睡眠のリズムを整え、自律神経のバランスを保ちやすい生活を心がけてください。
まとめ:エストロゲンの変化を知って心身の不調に備えを
女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、更年期や生活習慣の影響によって分泌量が減少し、さまざまな心身の変化につながることがあります。
食事や睡眠、運動などの生活習慣を整えながら、症状に応じてホルモン補充療法などの治療を検討することも大切です。
気になる症状が続いている場合は、ためらわず婦人科を受診しましょう。

